バストの病気と聞いて真っ先に思い浮かべるのが乳がん。乳がんは今や女性がかかるがんの第1位でもあり、乳がん患者は年々増え続けています。そこで大切になってくるのが乳がんの早期発見。ここでは「ピンクリボンブレストケアクリニック表参道」の島田菜穂子院長に、乳がんや乳がん検診のこと、セルフチェック法について伺いました。他人事ではない病気だからこそ、正しい知識を身につけ、乳がんの予防&早期発見を心がけましょう。

 

 

 

 

日本人女性の11人に1人が乳がんに!

現在、日本人女性の11人に1人 ※が乳がんにかかると言われており、その数は年々増加の一途。「2020年の東京オリンピックが開催される頃には、乳がん患者は10万人に増えると予測されています。欧米でも乳がん患者は増えていますが、アメリカでは死亡者数は過去10年で減少。しかし日本は、患者数も死亡者数も増加。これは、乳がんの定期的な検診を大切にしている欧米人との意識の差とも言えます。」※国立がん研究センターがん対策情報センター(2016年8月2日発表)

 

乳がんとは?

乳房は、乳頭を中心に放射線状に乳腺組織が分布。乳腺組織は乳汁を作る小葉と、乳汁を乳頭まで運ぶ乳管で構成されています。乳がんとは乳腺組織にできる悪性の腫瘍のこと。乳がんの90%は、乳管の内壁の上皮細胞から発生したがん細胞が広がったり、乳管外に出て他の組織に移転していくパターンがほとんど。放っておくとリンパ節や他の臓器へ移転しやすいので、早期発見が大切です。

 

乳がんの症状は?

ごく初期では自覚症状がなく、進行するにつれ、最初に現れやすいのが乳房やワキの下のしこりです。しこりの大きさが2センチ近くなると自分で触ってもわかるようになります。乳がんを発症すると、左右の乳房の大きさが違う、乳頭が赤く腫れる、乳房に引きつれやくぼみが生じる、乳頭がただれる、といった症状が現れます。乳頭部から黄色や茶褐色の分泌物が出るのも要注意です。

 

乳がんにかかりやすい人は?

✓母親や姉妹、親戚など家族に乳がんになった人がいる

✓妊娠&出産、搾乳経験がない

✓初潮年齢が早い

✓女性ホルモン剤を長く、多く使っている

✓初産年齢が30歳以上

✓飲酒量が多い

✓たばこを吸う

 

 

 

乳がんと症状が似ている良性のバストの病気

乳腺症

女性ホルモンの刺激で乳腺が生理前に張ったり、触るとしこりのようにゴロゴロしたり、乳房が痛かったり、乳頭から分泌物が出ることがあります。また、石灰化や嚢胞が見られることもあり、乳がんの症状と似ているため不安になる人も多いのですが、乳腺症は病気ではなく生理的な現象のひとつ。検査をして悪性ではないことがわかれば治療の必要はありません。

 

乳腺線維腺腫

乳腺線維腺腫は、乳房にできる良性の腫瘍で10代後半 から30歳代にかけて発見されることが多い病気。コロコロとした丸い形の少し硬いしこりで、触ると動くのが特徴です。痛みはなく、生理前には大きくなったように感じることも。画像や細胞診で乳腺線維腺腫と診断された場合は、腫瘍が大きくならない限りは手術で取り除く必要もなく、経過観察で様子を見ます。

 

 

 

 

大切なバストを守るためにも

乳がん検診を受けよう

 

From Doctor▷30歳からは1年に1度は検診を受けましょう

「 今の画像検査では数ミリのがんも見つけることができるので、早期発見のためにも検査を受けないのは損。早い段階であれば、バストも温存でき、副作用の強い抗がん剤治療なども基本的には必要ありません。だからこそ、リスクが高まる30歳からは1年に1度は検診を受けてほしいと想います。ただし、家族や親戚に乳がん患者がいる人は20代で発症するケースも多いので、今すぐにでも検診を受けることをおすすめします。」

 

 

乳がんの検査法は?

 

 

乳がん検診の主な検査内容は、医師からの問診に加えて、視触診、マンモグラフィ、超音波検査(エコー)の3つが基本。超音波検査は手に触れない段階の小さなしこりを見つけやすい反面、しこりに先行して発生する乳がんの初期症状の石灰化を見つけることができないというデメリットがあります。また、マンモグラフィはほんの数ミリの石灰化も見つけられますが、高濃度乳房(乳腺が多いバスト)の場合には、しこりを見つけにくいといった欠点も。両方の検査を組み合わせることで、それぞれの欠点をカバーすることが可能に。「初めて乳がん検診を受ける人には、自分のバストがどのタイプなのかを知ってもらうためにも、マンモグラフィと超音波、両方の検査を受けることをおすすめします。その後は、2年に1回マンモグラフィ、半年に1回超音波といった風に、自分に合った検査をしていけば良いと思います。ただし、乳がんに最もかかりやすい年代の40歳からは必ずマンモグラフィと超音波2つセットで検査を受けましょう」

 

 

高濃度乳房について

バストは大きく分けて2タイプがあり、欧米の女性のバストは脂肪が多 く、乳腺が少ないのに対して、日本人女性の5〜7割は、脂肪が少なく、乳腺が多い“高濃度乳房”と言われています。マンモグラフィは、乳腺が少なく、脂肪の多いバストには適していますが、乳腺が密集している高濃度乳房の人の場合では、真っ白に移り、しこりがあっても乳腺に隠れて見えない場合があります。このような方は必ず超音波検査を組み合わせるあるいは、高濃度乳房の内部をより詳しく観察できる3Dマンモグラフィを行うなどして検査の工夫をする必要があります。

 

生理前はバストが張って痛むことがあるので、マンモグラフィを受ける際は、痛みや張りが治まる月経後5日目くらいまでがベストです

 

 

 

 

 

毎日の習慣に! 乳がんのセルフチェック法

 

実際、乳がんの発見ケースで最も多いのが、セルフチェックでしこりを見つけて病院に来るというパターン。日頃から自分の目と指でバストのチェックをしていれば、早期発見につながること間違いなし!早速、毎日の習慣に取り入れてみて!

 

Advice from Doctor▷普段バストのチェックをしていない人が、突然セルフチェックを始めても、どこが異常なのかわからないと思います。というのも、アラサーともなると、当然、生理前にバストを触れば乳腺が張ってコリコリしているため、しこりかも?と慌ててしまうことがほとんど。そこでおすすめなのが、自分の普段のバストの状態を知るためにも、まずは検診を受けに行ってください。そして、なんの問題もないと言われたその日にバストに触ってみる。それが自分の正常な状態であり、乳腺が多いところは硬い、脂肪の多いところは柔らかい、といった自分の乳房の特徴がわかるようになると思います。これを毎日の習慣にすることで、乳がんの発見だけでなく、バストが張ってきたからそろそろ生理がくるな、といった自分のコンディションもつかみやすくなり、健康管理にも役立ちます。

 

 

 

鏡の前で乳房の形をチェック

 

肩の力を抜いて両腕を自然に下げた状態で鏡の前に立ち、左右の乳房の形や大きさに違いはないか、乳房がへこんでいたり盛り上がってないか、皮膚がひきつれてないか、乳首が陥没していないか、乳頭にただれが起きていないかをチェック。両手を上げた状態でも、上記と同じことを確認しましょう。

 

 

 

乳頭からの分泌分を確認

 

親指と人差し指で乳首や乳輪をつまんで分泌物が出ていないかを確認する。黄色や赤色、茶褐色の液が片方の乳首の特定の部分から出てくる時は要注意。

 

 

 

バスト全体をまんべんなく触る

 

触る側の腕を上げて、指の腹で小さな「の」の字を連続して描くようにして触ります。触る範囲は、鎖骨の下からバスト全体と、乳房の外側のワキの下までしっかりと触ってしこりがないかをチェック。

★POINT

お風呂に入っている時に、石けんをつけて素手で洗いながらチェックしたり、お風呂上がりにバストにボディクリームを馴染ませながら行うと、すべりも良くなるのでおすすめ。こうやって、セルフチェックを毎日の習慣にすると手軽でいいですよね。

 

 

 

仰向けになって調べる

 

仰向けになり、肩の下にたたんだタオルや枕を入れて乳房を広げます。触る側の腕を上げ、まずは外側から内側へと真横に指の腹を使ってしっかり滑らせるようにバストの上部&下部に分けて全体をチェック。次に、バストの上から下に向かって縦に4カ所くらいを分けて確認します。バストの外側からワキの下のリンパ節も入念にチェックしましょう。

 

 

 

 

お話を伺ったのは・・・

ピンクリボン ブレストケア クリニック表参道

乳腺科 島田菜穂子 院長

 

 

日本乳癌学会認定医・放射線科専門医・日本がん検診診断学会認定医・日本スポーツ協会認定スポーツドクターなど多数。2000年より、「認定 NPO 乳房健康研究会」立ち上げ、乳がん啓発活動ピンクリボン運動を日本で始動。副理事長を務める。書籍、講演など多方面の分野で活躍中。

 

ピンクリボン ブレストケア クリニック表参道

TEL.03-3407-7373(完全予約制)

診察時間/
月・金10:00~14:00、15:30~19:00
火・水10:00~14:00、 15:30~20:00
木  9:30~14:00、15:30~17:30
土  9:30~13:00、 14:00~17:30

休診日/日曜・祝日

 

乳腺科をメインに、検診から精密検査まで対応

マンモグラフィ検診の施設認定を受けたクリニック。乳がん学会認定関連施設でもあり、マンモグラフィや超音波検査の画像診断から、細胞診、乳房針生検(コアニードル生検・組織診)、マンモトーム生検などの精密検査まで幅広く診療を行うクリニック。カウンセリングルームでの問診に始まり、当日の結果報告まで患者さんが自分の乳房の状態を深く理解できるよう丁寧に説明してくれます。初めての検診や遺伝(家族歴)が気になる人には超音波検査、マンモグラフィ、視触診、自己検診指導、診察当日結果報告がセットになった「フルコース(1万6,000円)」がおすすめ。

 

 

 

 

Photography : Satomi Kimura, Getty Images Model : Pamela Asahi(BORDER) Hair & Makeup : Hirotaka Iizuka  llustration : Naruho Toshida  Edit & Text : Yuki Koikeda

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